THE WILLPOWER

Stay Stoic, Change the World.

さらば、二六歳

 明日、平成二八年、西暦二〇一六年、皇紀二六七六年、水無月の十一日、二十七歳になります。

 どうやら、インドネシアからシンガポールへの機中で齢を重ねることになりそうです。シンガポールでトランジット、つまり別の飛行機に乗り換え、ミャンマーに向かいます。日付が変わったころにシンガポールに着き、乗り換えまでの八時間を空港で過ごします。

 おそらく空港では落ち着いて眠れず、またまた徹夜になりそうです。眠いけど、勉強し、読書し、思索を練り、原稿を書かなくっちゃ。

 最近は週二回ペースで徹夜なので、慣れてきました。

 君はスーパーサイヤ人か、それとも地獄のミサワか!!

 

 

 旅に出る前から、というか少年時代から心の奥で深く思っていたことは「自分を安全な所に置かず、激動のなかに身を投じろ」ということです。

 旅に出る前は、外資系企業でおしゃれに仕事をし、そこそこよい給料をもらい、休日は彼女とデートをし、スポーツや読書、映画を楽しんでいました。

 しかし現実は、横田めぐみさんを初め拉致被害者を一向に取り返せず、親が子を殺し子が親を殺す祖国となり、世界では貧困でお子からお年寄り、にゃんこまでが苦しんでいます。

 自分だけがいい暮らしをして、いいマンションに住んで、いい車に乗って、きれいな奥さんを迎えて、平穏な日々を暮らす。

 ぼく以外の方々には、本当に上記のように穏やかに暮らして頂きたいと願っています。というか、そのためにぼくは仕事をします。

 しかしぼくにとっては、そうした暮らしがどうしてもできなかった。

 少年時代から、それは「卑怯」だと考えている。

 自分を安全な所に置き、困っている人々を助けないおれは、卑怯者だ。いまも。

 だから旅に出た。

 祖国に無事帰れれば、さらに壊れつつある世界の激流に飛び込み、命尽きるまで淡々と仕事をし、死のう。

 それが二七歳になるぼくの、ささやかな目標、願い、そして生きる希望です。

 天よ、ぼくに仕事をさせてください。祖国と世界を御護りください。